餓鬼の腐臭

私はずっと餓鬼だった。
餓鬼は常に飢えている。愛情が欲しい欲しいと心の中で叫んでいる。
自分を満たせていないから、人に愛情を渡すことなんてできない。

小さいときから友達はいたけど、私は彼らに愛を渡せない。
ただ奪うことだけを考えてきた。
相手に私の心の隙間を埋めてくれる役割を求めてきた。
けど、そんなことをしてくれる人間なんていない。

与えられることばかりに執着して、自分で満たすことをサボる人間は、どんどん
心根が腐っていく。
幸せから遠のいていく。
腐って腐臭を放つから、他者は「くさい!」と煙たがって逃げていく。
誰だっていい香りには近づくし、臭いにおいからは遠ざかる。
そんな単純なことを私は気付いていなかった。

一日活動して、汗をかいて、垢がでるから風呂に入る。

同じように一日人間に接して、嫌なことを感じ、悔しいことも経験するから、家に帰って自分の心を手入れする。心も体も扱いは同じ。

なんにもしなくて幸せになれる人はいない。
大方の親は私の親と同じく、子供から搾取しようとする。
だから子供は餓鬼になる。
餓鬼は、放っておいたら餓鬼のまま、そして腐る。
それでも餓鬼から人間に成長する人がいる。

餓鬼と人間、どこか違うのか/私は人間になりたいのか? いい香りはどうやったら
手に入るのか?そのためにどんなこだわりや思い込みを断たねばならないのか?
考えてみるっぺ。