部下を叱るときは、最初に褒めて、最後に注意点を言いましょうというのが定石。
これどうしてだろうって深く考えたことあります?
私が思うに、褒めるということは「貴方を見ていますよ、認めていますよ」と
言っているに等しい。
褒めてから注意するとは、最初に部下を人として尊重し、その上で人として不完全な
所もありますから、そこを改善しましょうと言っていることになる。
このとき受け手は”上司は部下を育てよう、大切にしようと思っている。部下を思えば
こその注意なんだ。”と捉える。
順序を反対にして、注意点を先に述べてから、最後に褒めるとどういう意味になるか。
部下は上司の手足であり、コントロールされるべき存在である、その上で上司は手足と
して部下に価値があると認めている というメッセージになるのだ。
このとき受け手は”上司は部下を大事にしていない。ただ従わせようとしているだけ。
上司の単なるフラストレーションのはけ口にされているのではないか!”と捉える。
人間扱いされていない(コントロールされる)と感じれば、当然ながら相手を人間扱い
しようとしない。
この会話は単なるモノローグ(上司の独り言)で終わってしまう。
人にはいろんな状態がある。
喜んでいるとき、悲しんでいるとき、嬉しいとき、落ち込んでいるとき。
その状態は自分の手の届かない範囲で、相手の生きている世界で起こっている
ことかもしれない。
しかし、自分の発した何気ない一言やマネジメント力不足のせいで、目の前の相手の
感情が上下しているのかもしれない。
だからこそ、相手は人であることを再認識し、尊重することを怠ってはならない。
夫婦は合わせ鑑というが、上司と部下もまた鑑なのだと思う。
出来た上司の下でこそ、優秀な部下がたくさん育つ。
部下を育てたい、優秀な部下を揃えて仕事の成果を上げたいと思うときほど
自分が部下にどう接しているのかを振り返ってみてはどうだろう?
単なるHOWTOとして、褒めればいいという短絡的思考ではなく、なぜ褒めること
に効果があるのかまでたどり着けば、褒めることは一層の深みを増すことでしょう。