母親になる前に学ぶこと

赤ちゃんが産まれる前
「どんな子でもいい。元気に生まれてくれさえすれば。」
赤ちゃんが生まれた後
「おめめがぱっちりして欲しいなぁ」「笑顔のかわいい子になって欲しいなぁ」
しばらくすると
「標準的な生育をして欲しいなぁ」
もっと大きくなると
・・・

親の夢はどこまでも大きく膨らみます。

自分より良い生活をして欲しい。
自慢できる息子になって欲しい。

知らぬ間に周りと比べ、うちの子の方が成績がいい・運動神経がいい・人気者だ
と喜んだり、はたまた落ち込んだり。

私は思います。
いい・悪いと比べっこをするような幼稚な精神を持つ内は親になるなと。
子供は親の道具ではありません。
一人一人、優れる所も劣る所もある。
それを全て受け止め、愛すのが親ってもんじゃないでしょうか。
親が愛さなければ、いったい誰が子供を愛すのでしょうか?
それをアレをクリアできないと愛さないだとかいって、子供を自己満足の道具と
して使おうとするなんて、卑劣きわまりない人間の愚行です。

人は比べないと、自分の立ち位置が判りません。
判るために比べるのはいい。
ただ分別(いい・悪いの考え)のための比較は、自分や周りを汚染する諸悪の根源
です。

それでも我々若い親世代は、比べられて生きてきました。
受験戦争・競争社会という単語は、まさに比べっこの時代が生み出した象徴です。
しかし、その結果、引きこもり・無差別殺人・ウツなど、社会にとっていいとは言えない
現象を引き起こしてきました。
それこそが、比べられて育った人々の行き場のない怨念が生み出した結果なのです。
そういうことが起こっていることを我々はよく知っています。
だから、自分たちが比べられた世界を抜けて、新しい価値観を取得する段階に
来ているのです。

書籍を読んだり、説法を聞くことで、我々がいかに分別に縛られているか知ることが
できます。
そういうお勉強が、親になる前には必要です。

この世にまっさらで生まれた赤ちゃんが、いつまでも美しい心を持ち続けられる
ように、親は分別を超越した慈愛の心を持ち続けられる訓練をして欲しいと思います。