木嶋佳苗被告に対する違和感

夕方のニュースで、木嶋被告の特異的な生活と服装について事細かに報道して
いた。
この事件は、「ひどいことをする人がいるなぁ~」くらいの感想しか持っていなかったが
今日の法廷で、木嶋被告が異性遍歴、生活態度を証言したという説明あたりから
私の頭に???が浮かんだ。

 彼女の特異性について以下箇条書きにする。


1)今まで稼いできた方法は、愛人契約、デートクラブ、ピアノ講師
2)19歳の時に上京先で、愛人ブローカーに声をかけられたのが愛人生活の最初
3)月150万円ほどの収入はほとんど使い果たし、貯金なし
4)計23回の法廷で、すべて服装が違う。時に出廷と退廷で上着を変える
5)今日の公判で、傍聴席に向けて笑みを浮かべた。立ち振る舞いはエレガント
6)6年間の愛人契約が終了しても、定職に就かず、愛人から「君は他の女性と
 違って特別だ」と言われたことを真に受け、”普通の女性としての生活”を放棄した。

後先考えずに益だけに目がいく所、自分をエレガントで美しいと見せかけたい所
事態の深刻さと表情が合っていない所、皮肉と賞賛を勘違いする所 あたりが
素人判断だが、演技性人格障害では?と思ってしまった。

彼女が自分を肯定するより所となったのが、一般女性に較べて金銭的に
恵まれ消費が自由に出来、男性に性的とはいえ必要とされている事実である。
おそらく彼女の持つ自己アイデンティティは、女性として讃えられ、裕福でエレガントに
振る舞う自分だったのではないかと思う。

ならば、法廷に他の被告のような暗めの服で出ることを自分に許すはず
もなく、また殺人という罪で問われていても笑みをうかべたことに納得がいく。

この先、どのように裁判が動いていくのかは分からないが、彼女自身が幸せ
になるためには、現実を直視できる力と身の丈にあった生活力を身につける
ことが必須である。

夢見る夢子のままでは、たとえ一般社会に出てこられようとも、破綻した生活
になることは、火を見るよりも明らかだ。
人間は、辛い現実と楽しい時間の両方を感じることで、精神的な均衡を保てる。
もし、どちらかだけを見るような偏った生活をするならば、なんらかの精神疾患
にかかってしまう確率はぐっとあがるだろう。