攻撃しない反撃

昼間に林真理子さんへのインタビューを聞きました。

林さんは「デビューし順調に作家として走り出して数年、メディアにもたくさん取り上げてもらいました。それを見た周囲から『運がいいですね~』と言われたんです。けど見えない所で努力はいっぱんしているんで、ムスッとしたんです。でも今同じことを言われても『そぅなんです。運がいいんです』って答えられちゃう。」とおっしゃっていました。

ここで以前の林さんの主張はしごく全うだと思う。
林さんは努力を積み重ねてこられたし、その努力が結実して世に受け入れられた。
「運だ」と決めつける周囲は、自分が林さんのように成果が出せないことを単にやっかんでいただけだ。
けれど成熟した林さんは、やっかむ心も含めて受け止め「そぅなんです。」とあっさり認めてしまっている。
これでは相手も攻撃のしようがない。自分の言っていることを丸々相手が受け止めているのだから。
ついでにもし、「そぅ、あなたも私という存在を気にしてくれているでしょ。そぅいう縁や運をありがたいと思っています」と最後の一撃を繰り出したら、相手は撃沈だろう。

要するに相手がケンカ腰でやってきても、受け手がケンカとして取り合わなければ争いは終結する。
それを知ってて林さんは、「あっ、そぅですか。でも私ケンカするつもりないんで、貴方の考え方を支持しますよ」って返している。

賢いなぁ~。無用なケンカは体力の無駄。
そして考え方を変えれば、運の力が十分あったかもしれない。柔軟な頭だ。
作家だからというのもあるだろうが、人から支持される人というのは異質な考え方をも一度は取り入れてみる懐がある。

大人というのはこういうものです、というよきお手本を見せていただいた。感謝。