受け身な対応しか教わらない私たち女性
たとえ相手に不快な態度を取られても、笑って見過ごしてしまうことが身についてる私たち。
運悪く社会に出て、モンスタークラスの自己中に出会うと、めちゃくちゃ振り回されて身も心もボロボロ。
せっかく入った会社を辞めざるを得なくなったり、セクハラで泣き寝入りさせられたり。
悔しい。
反動で、ドガ喰いして健康を損ね、憂さ晴らしの買い物のせいか貯金はスッカラカン。ホント踏んだり蹴ったりだ。
元はといえば、モンスターが悪い。自分のことを棚に上げて、人のことばかり悪く言う。私はちゃんと仕事してるんだ!社会に貢献しようとここまで頑張ってきたんだ、クソォ~。
ってな人いませんか?
モンスター上司に悩まされ身体を壊して休職中のアナタ、学校でイジメに遭い行き場を失ったアナタ、勇気を出して婚活の場に出かけたのにトンデモナイ男性に振り回されたアナタ。
そんなアナタがやるべきことは、対応の仕方を学ぶこと。振り回されない自分を作る手立てを身につけること。所詮、人も動物の延長です。強い者が弱い者を制する。
振り回されてばかりの弱い人は、どうやったって、強い人には勝てない。だったら強くなってやろうじゃないの。力ではなく智恵で。
智恵が生み出す言葉の力を借りれば非力でも腕力に勝てる。
漫然としていても力はつかない
今までにどれくらいの、ドラマや映画を見、本を読んできただろう? その中にハッと思わせられる人物はいなかっただろうか。
その人の言葉には妙な納得感を覚え、自然と従ってしまう。その人が現れる前と後では、場の雰囲気が変わる。私たちはその人にあこがれ、そういう人が味方でいてくれたらなぁ~と思う。
ところが、自らはそういう人になろうとはしない。あれは自分と違って優れた人だから出しうる言葉であって、私のようなものには到底できっこない、と諦めている。
しかしだ、かりにそういう人に出会ったとしても、その人にも都合があっていつでもあなたの代わりに正義(らしきもの)の方向へ舵修正してくれるとは限らない。人生80年、守ってくれる人がずっとついてる保証など誰一人持たないんだ。
だとしたら、自らそういう人になろうと、いやなれると思うことが大切ではないだろうか。
そう覚悟して見ると、納得感のある言葉を生み出そうとして「…」となる自分に気がつく。言葉が出てこない。
最近あった出来事に、「納得感のある方向へ舵取りするんだったら、こう言えば良かった」というのが思いつかない。
ない頭を絞っても、「すいませんが、○○の方向も考えてくれませんか?」や「私などがいうのはおこがましいのですが、△△っていうのは考えられませんか?」といった腰の引けた自分しか出てこない。これは受け身を続けてきた副作用だ。とにかく「自分は下」というクセが抜けない。
悩み方の教科書を使え
そんなクセのついた考えを持つ私たちに画期的な教科書が2013年、出版された。
「伝え方が9割」と「伝え方が9割②」だ。
- 作者: 佐々木圭一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 佐々木圭一
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/04/24
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この本のすごいところは、
1.今まで漫然としていた言葉のルールを明確化したところ
2.「言葉は作るもの」と意識改革をしたこと
著者の佐々木圭一さんは、この本で説いたことを元にいろんな媒体で一般の会社員とともに言葉を作るにチャレンジしている。
「伝え方が9割」特別教室:日経ウーマンオンライン【「伝え方が9割」特別教室】
言葉のシロウトである会社員とやることで、我々が陥りそうな罠が見えてくる。と同時に言葉が作れないのは私だけじゃないんだって勇気が湧いてくる。
使う言葉が変わると自分が強くなれる
今までだったら、セクハラされても笑ってごまかすか、「止めてくださいよ」しか言えなかったのが、「○○さんがこんなことするなんて思いませんでした。もっと女性社員のことを大切にしてくれる人だと思ったのに」と言えるようになると、ちょっとだけ強くなった気がする。
他にも
「セクハラするより、セクハラから女性社員を守る上司の方が格好いいと思います」
「男性社員が見ています。手本となるよう、ジェントルな振る舞いをしてくれませんか」
「○○さんがセクハラで足ひっぱられるの見たくないなぁ」
といったことを言えたとしたら、自分の中で自分が固まっていく感覚が持てる。
実は「止めてください」「セクハラ委員会にいいますよ」という言葉は、強いように見えて弱い。それらの言葉は、自らを防御の姿勢に置く。防御はいつも守りに入る側。だから相手はいつまでも攻撃の手を緩めない。
では強い言葉とはなにか。それは自らを攻撃の姿勢にする言葉。ただしあなた自身が攻撃をしかけるのではなく、「相手の理想像」に攻撃をしかけさせる。「人によく思われたい」という人の性質を使って、「相手の理想像」に現在のダメな己を押さえさせる。
こうするとこちらの意思を出す必要がなく、恨みや憎しみを買いにくい。戦いは、なにも生身の自分を使うことはない。相手の心を使って、相手をより良いところへと引き上げて悪さできないようにする、という戦い方だってある。
もしこの武器を身につけられるなら自分は受け身から、仕掛ける身へと変身を遂げられる。
あなたにかけられた呪いを解こう
ー女の子はおとなしく慎ましやかにあるべしー
そう呪いをかけられた私たちは、ろくに戦う武器を持たず、ただされるがままここまで生きてきた。出来ることと言えば逃げることだけ。
でも、そんなんでいいんだろうか。ずっと虐げられて、我慢して生きなくちゃいけないんだろうか。
#Metooの運動でも分かるように、セクハラを受けた人は皆、怒っている。今までは、「逆らったらどうなるか分からない」という恐怖や「私さえ我慢すれば丸く収まる」という自己卑下があってひた隠しに隠してきた。でもきっかけさえあれば抑えてきた感情は爆発する。
だとしたら感情の押さえつけなど意味がない。きちんと表面化し、それはいけないことだと話し合わなくては。
呪いに縛られるのは、もうお終い。
これからは本を頼りに武器を手に入れていこう。やられっぱなしじゃなく、やり返すでもなく、相手を封じ込めて二度と同じ事が起こらないようにしよう。