自分が上!と認めさせないと気が済まないマウンティング体質の人。あまり関わりたくないですよね。
対処方を知らない我々は、彼らの気の強さに押されて、マウンティングされっぱなし。気分は害されるし、かといって巧妙な言い返しも出来ないし、なんかいい方法ないかな?と思いませんか。
そんな人を対象に、マウンティングのモヤモヤを取る方法を考えてみました。
言われっぱなしの人生から、言い返せる人生へ。Let`S,SWITCH!
例文から学ぶ
とてもいい教材が、ダイヤモンドオンラインに載っていました。
こちらを使わせてもらいます。例文をダイヤモンドオンラインから抜き出しました。
- 「あなたはオシャレでうらやましい。私は毎朝、子供のお弁当作りに追われている」とのたまう女友達
- 「本当はさっきまで会社経営について話をしていたんだけど、君に合わせてこういう話題を選んだんだ」とアピールしてきた初対面の男性
- 「僕は何度も(シンガポール)行ったことあるけど、そんな観光地化されたところへいっても、本当の面白さは分からないよ」「わかってないなー」とダメ出しする上司
- 英語に目覚めた私に「今、何歳だっけ?25歳か。25歳でやっとそう(英語を勉強しよう)と思ったんだね」「英語を覚えることより、英語で何を伝えたいのか考えた方がいいよ」要らぬ言葉を浴びせてきた上司
- 「お前らはいいよなあ。俺たちの頃よりずっと大学入試がラクで」といってきた10歳年上の先輩
- 残業中に「お前はいいよな。自分の仕事のためだけに残業できて」と言ってきた課長
- 新規案件を受注できた喜びを伝えたら「そっか、俺ならもう一つ上の契約取れたと思うけど…。まあ、しょうがない。お疲れ!」と返してきた課長
- ある案件を社内で相談中「それって、○○っていう担当者がいるよね?昔、俺が営業だったんだけど、あそこは苦労したんだよ。最初全く相手にしてくれなくてさ。まあでもよかった。なんとかこじ開けといて。それがないと厳しかったね」と手柄を披露してきた部長
じぃーっと眺めていると、「私スゴいし、もっとスゴいって言って!!!!!!」という3歳児ばりのゴネまくりな態度が浮かびあがってきます。
お前ら、ガキかっ?!
さてこれらにメスを入れていきましょう。
共通の意識とは何か?
まずは、台詞の裏にある意図を拾っていきます。
- オシャレなんかより、子供がいる方がずっと幸せ!
- 俺って、人によって話題を合わせられる天才。気配り上手!!
- 俺はシンガポール通!!
- 俺は25歳よりずっと前に英語の重要性に気づいて鍛えてたもんねー!!
- 俺、入試でめちゃくちゃ苦労したし、頑張った。お前らとは違うから。
- 俺とお前じゃ、気に掛けなきゃいけない範囲が違うんだよ。俺は人のために頑張ってる!!
- お前、凡人だな。俺みたいなやり手なら、もっといい結果出せるんだよ。
- 誰のおかげで契約できてると思ってんだ!礼くらいしろ。
自分を神輿担ぎしたくてウズウズしている。そして実際している。自分への礼賛が止まらない。
…というか止められない。暴走する気持ちが止められない。
というのも、普段自分は報われていないと思っているので、報われるチャンスを見つけたなら、絶対にモノにしたい衝動に駆られてしまうのです。
つまり本人の意思ではどうしようない。いわば中毒状態です。
なので、解毒してあげましょう。
毒を制するには?
この場合の毒とは、不遇な自分をいい気分にさせたい衝動です。
解毒するには、いい気分と思っていた向精神薬の作用(毒)がとてつもなく不快な副作用を生むのだ、と実感させます。一旦は持ち上げといて、その後、厳しい現実を突きつけて、報われていない今こそが真実であると相手に実感させるのです。
では一つずつやっていきましょう。
- うらやましいなら、独身でいればよかったじゃん!自分で選んだ結果でしょ。(持ち上げはなし)
- そうでしたか。○○さんに似合わないことを話しているなと思ったんですよ。でも、経営の話を誰にでも分かりやすく話できる人の方がスゴくないですか?
- なるほど、さすがシンガポール通ですね。じゃあ、○○さんはガイドブックにも載ってない穴場をご存じなんですね。楽しみだな。是非教えてください。
- やっぱり出世する人はきちんと英語の勉強をしてきてるんですねー。やっぱTOIECの結果とか900点超えなんですかね?何点でした?
- 先輩はよほど入試でご苦労されたんですね。で、その分、入試でラクしてきた僕らよりどういうところで仕事でいい結果を出せたと思われますか?
- 課長って大変なんですね。でももし我々と同じなら給与も同じ水準なはずですよね。役職手当分、人を見なきゃいけないのって当たり前じゃないですか。
- やっぱり課長くらいのやり手だと違うんですね。じゃあ、今回どう展開すればもう一つ上の契約がとれたか、ここでレクチャーしてくださいよ。
- そんなに難しい牙城を崩したなら、相当周りに評価されたんじゃないですか。取締役とかになれててもいいのに(現在は部長)。
これらは【1】をのぞき、前半は相手を持ち上げ、いい気分を味わわせてあげます。そして後半。マウントするほどスゴイなら、きっとこれくらい出来るよね、とプレッシャーを浴びせる、ないしは、矛盾を突きます。
すると、相手は単にいい気分で終わりたかったのに、ハードルを上げられて結局自分は大したことなかったと認めるか、ご都合主義を認めるかせざるを得なくなり、御山の大将でいられなくなります。
かりにマウントしてきた人がとても優秀で、楽々とハードルを越えてきたなら、それはそれで、いい情報をゲットできたことになるので、損はありません。いただいた情報を糧に、次へと進んでいきましょう。
やってはいけないこと
ここでやってはいけないのは、自分の我を張ることです。
相手はいい気分になろうとしてマウントを仕掛けてきたのに、それを邪魔する自分が登場したら、かならず潰そうとします。その事態を避ける一番の手は、こちらの主張を消してしまうこと。
論じる中に、自分を登場させないことです。
あくまで論理は、「あなた(相手)が○○と言った。だから○○になるはずだ」という相手中心論。ただし後半の「○○になるはず」のハードルの高さ加減はこちら次第。めちゃくちゃ上げてやれば、相手は、ヤバい、言い過ぎた…と反省せざるをえません。
自慢したせいで、期待のハードルがあがり、期待に応えられなかった結果、自慢が自慢でなくなる、というブーメラン的手法でマウンティングを抑え込めば、これを機に自慢話に懲りることでしょう。
マウンティングはみんなを堕としてしまっている
ちょっと意外かもしれませんが、マウンティングする人は、さほどいい気分を継続できてません。ほとんどの時間は「報われていない」というウツウツとした心のまま。だからますますマウンティングをしかけ、人々の心を冷やしてしまっている。最終的には誰一人近寄ろうとはしなくなるでしょう。
ということでマウンティングは、ウツウツとした本人と、心冷やされる周囲を作り出してしまっていて、みんなを不幸に堕としてしまっている。
同じ人を不幸に堕とすでも、薬物中毒や、アルコール依存は正式に病気と認められる一方、マウンティングは、クセという扱いで放置されています。ですが、マウンティングは放っておけば、加速するばかりで、かつ、人を不幸にする害悪を生み出しています。マウンティングで人を殺すことはないと思いますが、放っておくと「自分はスゴい」という感覚が増幅し、パワーハラスメントといった悪質な行為へと発展していくことも十二分に考えられます。それはいくばくか人を死に追いやることに関係してはいないでしょうか。
放置して、波風立てないだけが正義ではありません。あまり怖いと思わない相手からでもいいので、マウンティングの阻止に挑んでみてください。
さいごに
伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんが、「評価は他人が決めるものだ」とおっしゃっています。まったくもってその通りで、スゴいか、スゴくないかは、自分でどうこう出来るものではありません。本当に優れた人は、黙ってても周りがスゴい人と認めます。
それを心に留め置くだけでも、マウンティングする人のアホらしさが理解出来ます。
はっきりいって、マウンティングする人は心に問題を抱えています。自分に対する評価がものすごく低いのです。だから周りに認めさせて、「自分の評価は本当は高いんだ!」と思いこみたいだけ。
そんなの他者である貴方からすれば、知らんがな…、という話です。だから、マウンティングされて心をすり減らすなんてバカなことしないでくださいね。貴方の心は貴方自身が護ってあげてください。