会話が上手くなるコツはたったコレだけ?

大勢の人が、会話のしかたに悩んでいます。とくに秀逸なトークのできる人がそばにいるほど、自分のコミュ力のなさに焦っている。

でも、そんなの全然気にしなくてOK!今日から、あなたも会話上手になれます。たった一つ、これだけやっておけば。

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会話に関する思い込み

会話が上手くなるためには、聞き役に徹しましょう、と言われています。話す割合は、相手8:自分2くらい。とにかく相手に話させる。

と言うと、「えっ?しゃべんないと、ボクの存在感薄くなるじゃないですか」という疑問を持たれる。でも、これが大きな間違いです。そもそも、相手にとってこちらなど、どうでもいい存在です。聞いてくれさえすればいいんです。

だから聞きましょう。ですが、ただ聞くだけだと、ボクの印象は良くなりません。なので、コツがあります。

では、どんなすごいコツなんでしょう?

は?コレだけ?

煽っておいてなんですが、すっごく単純です。

「あいづちをうつ」です。いわゆる「へぇ~」とか「そうなんですか!」というきわめて短いフレーズです。

こんなのがコツに?

なります。会話の目的を明らかにすると解ります。

人が何かを話すとき、そこには、「感情」があります。悲しい、嬉しい、驚いた、悔しい。そういった感情は、不安定な形で心の中に溜まります。それを一度外に出して、受け取ってもらって、不安定を安定に変えてきちんと整理したい。

だから聞き役に期待するのは、不安定を安定に変えるのに一役買ってくれること。意見とかアイデアではありません。

あいづちというのは、ある意味、あってないような言葉です。誰の邪魔もしない。そういう存在感のなさが、会話では活きてくる。邪魔をしない、存在感がない、というのはマイナスでもなんでもないんです。

実例で見てみる

実際の会話を見てみましょう。Aさんが話し手、Bさんが聞き手とします。

A:昨日さー、夜家族で焼き肉にいったんだよね~。
B:へぇ~
A:○○に行ったら、結構混んでて、15分待ってやっと入れたの。
B:そんなに混んでたの!
A:でさ、注文を取りに来るのも、遅くてさぁ、店員に声かけてもなかなか気づいてもらえなくて。
B:ありゃ
A:やっと注文できたのは、10分後よ、10分!
B:10分も!!
A:でも、待った甲斐あって、カルビがめちゃくちゃ美味しかった♥
B:そんなに美味しかったんだ。
A:こんど行くときはやっぱ予約かな?
B:予約かもね。

見たとおり、Bさんはほぼしゃべっていませんし、意見もアドバイスも口にしていません。けれどAさんは話して、もやもやが晴れます。それはBさんが一度も会話の邪魔をしていないからです。
Aさんが出しまくるだけ出しまくれた、そしてBさんが邪魔をしなかった。これがAさんの満足度をUPさせた要因です。

比較として、Aさんの満足度がDOWNする例を示します。

A:昨日さー、夜家族で焼き肉にいったんだよね~。
B:ふーん
A:○○に行ったら、結構混んでて、15分待ってやっと入れたの。
B:あそこ、いっつも混んでるからね。15分ならまだマシな方じゃないの?
A:でさ、注文を取りに来るのも、遅くてさぁ、店員に声かけてもなかなか気づいてもらえなくて。
B:あるある~。私もちょっとイライラさせられるんだよね。
A:でも、待った甲斐あって、カルビがめちゃくちゃ美味しかった♥
B:わかる~。カルビ美味しいよね。
A:こんど行くときはやっぱ予約かな?
B:そりゃそうでしょ!

Bさんは自分の意見や体験を述べています。AさんはBさんの意見が聞けてさぞ満足だろう、と思いきや、そうでもありません。少なくとも、もやもやが晴れてはいない。それは、事あるごとにBさんが邪魔しているからです。

Aさんに負け時とBさんもしゃしゃり出る。これがAさんの満足度をDOWNさせた要因です。

もう少し詳しく見ていきます。後者の例にBさんの内心を括弧書きで加えます。

A:昨日さー、夜家族で焼き肉にいったんだよね~。
B:ふーん (どうでもいいし、しらんがな)
A:○○に行ったら、結構混んでて、15分待ってやっと入れたの。
B:あそこ、いっつも混んでるからね。15分ならまだマシな方じゃないの? (それ聞いて思い出した!私の体験も聞いて)
A:でさ、注文を取りに来るのも、遅くてさぁ、店員に声かけてもなかなか気づいてもらえなくて。
B:あるある~。私もちょっとイライラさせられるんだよね。 (私の体験はこれよ)
A:でも、待った甲斐あって、カルビがめちゃくちゃ美味しかった♥
B:わかる~。カルビ美味しいよね。 (私の体験はこれよ)
A:こんど行くときはやっぱ予約かな?
B:そりゃそうでしょ! (私はこう思うわ)

解りますか?Bさんは聞き役ながらずっと「私」を語っています。Aさんの心の整理だったはずの会話が、Bさんの話にすり替わっている。だから話を聞いてもらえなかったAさんの満足度がDOWNしました。

これに対して前者のBさんの内心はどうでしょうか。同じく括弧書きを加えます。

A:昨日さー、夜家族で焼き肉にいったんだよね~。
B:へぇ~ (聞いてますよ~)
A:○○に行ったら、結構混んでて、15分待ってやっと入れたの。
B:そんなに混んでたの! (あなたが混んでたというんだから混んでたんだね)
A:でさ、注文を取りに来るのも、遅くてさぁ、店員に声かけてもなかなか気づいてもらえなくて。
B:ありゃ (気づいてもらえなかったんだね)
A:やっと注文できたのは、10分後よ、10分!
B:10分も!! (10分待たされたんだね)
A:でも、待った甲斐あって、カルビがめちゃくちゃ美味しかった♥
B:そんなに美味しかったんだ。(美味しかったんだね)
A:こんど行くときはやっぱ予約かな?
B:予約かもね。(あなたがそう思うならそうするといいよ)

どう感じますか。
Bさんは見事なほどAさんのミラー役です。AさんはBさんから反射される言葉を以て、改めて自分の思っていることを認識し、心の整理がスムースにいきました。だからAさんの満足度はUPしたのです。

自分の存在感をあげるのはここから

以上の説明を聞いて、なるほど!と思った人の中には、次のような疑問を抱かれる方もいるかもしれません。

聞く一辺倒だと、やっぱり自分の存在感ってなくない?

そうですね。そう思うかもしれません。でも前者のようなあいづちのできる人って意外に少ないんです。つまり前者のように振る舞えるだけで、希少な存在なのです。希少な存在は、それだけ人気がでます。つまり放っておいても、存在感は勝手に増していきます。

そして人気が上がれば上がるほど、主導権を握れます。誰にも相手にされなければ、誘いにホイホイついていかざるをえませんが、たくさんの人に相手にされれば、自分が一緒にいたい人とだけいられます。

話し上手になると誰とも一緒にいたくなくなるパラドックス

今まで人に求められたことのない人にとって、誘われることはこの上ない幸せに感じられることでしょう。しかし、相手が自分を求める理由は、ミラーとしての優秀さにあります。

要するに「使えるツール」としての有用性が評価されている。

しかし、自分がどれだけミラーとして振る舞ったとしても、相手がミラーになってくれるわけではありません。それに気づいた人は、人といることに無意味さを覚えます。

誘われても、求められても、結局使われるだけの存在。そう思いはじめると、あんなに誘われることに幸せを感じていたのに、そう思えなくなるのが不思議です。

人望がある、人気のある人ほど、群れない、孤高を望むのは、こういった理由からです。

目の前にいる人だけが付き合う人じゃない

でも、ずっと一人でいては、刺激はないし、成長は望めない。

そんな人に勧めるのが、「本を読むこと」です。本を通じて、いろんな事を考えてる人々と出逢うことができます。なかには、「あーそれそれ!」とあいづちを打ちたくなるような、かゆいところに手が届く内容が書いてあったりします。

文字を通じて、同じ時代に同じ地球で生きてる誰かと「通じ合った」と思っていれば、いいのではないでしょうか。

満足のいく会話は、なにも目の前でだけ展開されるわけではありません。広く世界に求めれば、そのときの自分に見合った声にであえます。

そして、皆より先にその声を聞き、理解し、モノにできたとき、私の言葉に「聞くにふさわしい」価値が降りてきます。人は、聞いたらなに良いことがある、と思えることになら、耳を傾けます。

やっとここで話を聞かれる順が回ってくるのです。

聞くに足る話をするハードルの高さ

つまり、長い長い旅路の果てに、やっとこさ話を聞かれるポジションに達することができるのです。今の、あいづちさえまともにできない自分の言葉など、聞くに足りません。

ですから、ただひたすら、良いあいづち、絶妙なあいづちとは何かを考えてみましょう。それだけで、少なくとも希少な存在になれます。