カウンセリングを受ける理由が分からなくなったときに読むコラム

あなたはなぜカウンセリングを受けるのでしょう。

はっきりいって、敷居は高いです。「精神的な問題を抱えている」という自覚なくして、おいそれと敷居をまたぐことはないでしょう。

ですから、日常生活を送ることが困難になるほど追い詰められてはじめて、腹をくくる。

そして、心から「この不調を治したい」と願うのです。

このとき意識しているのは、あくまでも不調の改善。集中力が続かない、気分が安定しない、生活のリズムが整わない、眠れない。

でも、残念ながら特効薬ってないんですよね。

あるのは、不調の原因を気づかせ、あなたの手で治させるという手法。つまり、あなたをパワーアップさせるやり方。

そんなの、求めてることと違うじゃん、と違和感を思った人にこそ読んでほしい。ぜひ、カウンセリングの本質を掴んでみてください。

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カウンセリングを受ける意義

あなたの不調の原因は、ズバリ「ため込んだ怒り」です。怒りがマグマのように溜まって、身体に向けて勢いよく噴き出している。その勢いを受け止めきれない身体は、もはや健全な営みを続けられなくなってしまっています。

などというと、怒りはとてつもなくエネルギッシュな存在と思われるかもしれません。けれど、怒り生んだご本尊(つまり自分)はとてつもなく受け身です。

想像してみてください。怒りに囚われてる瞬間を。「なんで分かってくれないの?」「なんで放置しておかれるの?」「なんで無視されるの?」と、○○してくれないという思いが心の底にうごめいています。

こんな受け身なまま、怒りを鎮められると思いますか?

無理ですよね。

そこで怒りに向き合う姿勢を変えてみるのです。具体的には、我が身を守るための怒りを、我と相手を守るための解決へと転換する。そのために、思考の中に「相手」を入れこみます。

相手に憑依し、相手の目で見、相手になって認識する。この精神的に受け入れがたい条件を受け入れることで、受け身から主体へと変身していくのです。

これは、相手に屈することではなく、相手と自分を超越することです。

そして超越のために、心の筋力をつけます。この筋力こそが「思考の力」なのです。

カウンセリングでは、パーソナルトレーナーをつけて、「思考の力」を磨いていきます。これが、あなたがカウンセリングを受ける意義です。

カウンセリングで得られるもの

え?そんなん、(心を癒してくれる)サービスなんかじゃない!と思ったかもしれません。

では、同意してくれて、慰めてくれるカウンセリングがあったとして、そんな都合のいい世界は広がっているでしょうか。

否、そんな柔な世界、実存しません。

どれだけ閉じられた空間でユートピアを提供しても、社会ではなんの役にも立たない。そんなんじゃ意味ないです。

だからカウンセラーはやさしくて母性的な人より、わかりやすく叱咤してくれる人の方が適任です。甘えを吹き飛ばし、自分でなんとかせねば、という意識をクライアントに持たせることのできる人。

人間、(愛ある)叱咤されると「負けるもんか!」という底力が湧いてきます。そうやってカウンセラーとクライエントの世界に意識が集中すると、不調などいつのまにか吹き飛んでいってしまうのです。

つまるところカウンセリングでは、治してもらおうという相手任せな姿勢から、コンチクショーやってやるぜー!という自己に意識を切り替えさせることを目的にしています。そうすることで、自然と怒りに惑わされてた自分を取り戻すことになるのです。

この作業への没頭が、人によっては、人生で初めて集中という経験になるかもしれない。

それでいいと思います。取り組むべきテーマにがっつり向き合って、根性入れてやってやる!と思った瞬間、人生に充実の色が帯び始めるのですから。

今まで誰も生きるべき方向を示してはくれませんでした。だから、カウンセリングを通じて「思考」することを学び、その「思考」から自らの歩むべき道を見出すーこれがカウンセリングで得られる成果です。

不調の改善はおまけみたいなもんですね。