あの人と会うとなぜこんなに疲れる?

いい人なんだけど、あの人と会うとなぜか疲れるという人はいないでしょうか?

おしゃれだし、「会えて嬉しかった」といってくれるし、「あなただから話せる」ともいってくれる。でも…、会うと2-3日はぐったりする。私と相性悪い?

という思いがぐるぐる頭を巡って、訳が分からなくなる。

でもね、やっぱり疲れるには疲れるだけの原因があるんです。それは何でしょう?

あなたが疲れる理由

あの人のしゃべりの特徴を思い出してください。

やたらと「自分語り」を感じませんか?「私がこうした」「私がこう思った」「私はこれが自慢」。そうやって、自分・自分・自分の話を際限なく繰り返しています。

あなたは、はなしに気を取られながらも、内心オモシロクない。

どんだけ聞き要員なんだ、と。

それをこう表現した人がいます。「猿山の猿」。猿たちは弱そうな猿相手にマウンティングをしかけ、破れた猿はそのコミュニティーで上に従わざるを得ない。その抑えつけられた感覚が、あなたを疲れさせている。

そもそもあなたは猿山の猿にはなりたくなかった。人間の中で互いを認め・認められ合いながら生きていたかった。けれども猿が殴り込みに来て、否応なしにマウンティングに巻き込まれた。戦意をもたぬあなたは必然的に負け、自動的に聞き役をやらされているのが、今。

本心でいえば、「なぜ、こんな下等な争いに巻き込まれにゃならぬ?」でしょう。

あなたも「猿」

しかし、ならば人間と付き合えばいいか、という問題ではありません。

そもそもあなたが人間になりきれていない。はっきり言います。マウンティングに巻き込まれるのは、あなたが猿だからです。一見、マウンティングする猿と別種に見えて、その実「猿」というところから離脱できていません。

それを証拠に胸を当ててみてください。「好かれたい」と思っていませんか?「迷惑を掛けたくない」と思っていませんか?「必要とされたい」と思っていませんか?

この思いこそが、あなたを「猿」たらしめてる理由です。

3つの思いはすべて、「外」から自分がどう見えるのか意識しています。つまり、内的な発生ではなく、外的な縛り。縛りに重きを置く間、影響してくる誰かが必要です。その誰かは、あなたを「好きと思い」、あなたに「迷惑を掛けられず」、あなたを「必要とする」人です。

そんなスーパーマンいますか?

私の知る限り、私を好きと思う人間すらいません。無い物ねだりのそれを実現するには、偽物の「好き」を手にする以外ありません。そして偽物の「好き」を手にする方法が、誰かのマウンティングの的になってあげること、です。

つまりあなたが件の思いを手放さない限り、あなたもまた「猿」でいつづけなくてはならないのです。

人間とは孤独なもの

好かれることを諦め、迷惑を掛けることを手放し、必要とされることから解放されると、なにが残るか。「孤独」です。だれとも交わらず、だれにも分かってもらえず、だれとも共有しない、ただ一人そこにいる孤独です。

その孤独が誰をも必要としないあなたを作り、人を見抜く眼をはぐくみ、「人間」との付き合いを始めさせてくれるのです。

人間だから認め・認められ合うといった充実があるのではなく、「孤独」という寂しさがあるのです。つまり「疲れる」か「孤独」かどっちにします?ということです。

ラクで、楽しくて、ハッピーな道は、残念ながらありません。

いきなり人間目指さなくてもいい

現状、いきなり「猿」をやめるを目指さなくてもいいと思います。まずはどれくらい相手が「猿山の猿」かを意識してみてください。「結婚」「出産」「子供の進学」「夫の昇進(降格)」といったファクターで、あれやこれやとマウンティングをしかけてきてますって。

それを横目で見ながら、マウンティングの醜さをじっくりと肌で感じることです。そうすればアホらしく感じて、勝手に「孤独」へと舵が切られます。

仲良くはなしている隣のテーブルの誰かさんも、よくよく聞けばマウンティングの最中ということはめずらしくありません。みんな、マウンティングされて、しかえして~、の繰り返し。そして最終的にのこるのは、マウンティングする人とされる人の組み合わせ。不思議なことに、マウンティングする人とマウンティングする人の組み合わせは長続きしないんですね。

マウンティングする・されるの組み合わせが長続きするのは、「理(ことわり)」です。理があって、それにあなたは乗せられてしまっている。もしこのままでいるなら、自ら進んでマウンティングする側に身を捧げることとなりましょう。

いいんですか?「疲れた」といいながら、大切な時間を誰かのためにつかって。そんなに相手のこと好き?

違いますよね?

本当に大切な相手はあなたを疲れさせたりはしません。一日でも早く、アホらしいことに時間を費やしてると気づいてください。