病気が教えてくれること

誰だって病気になりたくはない。
けど生涯一度も病気にならないという人というのはいない。
我々は病気とほどよくおつきあいする運命だ。

ところで、病気は嫌われているけど、ただ嫌っているだけでもいいのだろうか?
病気も病気なりに伝えたことがあって、ひょっこり現れてきたと考えることもできないか?

例えばうつ病。

うつ病は真面目な人がなりやすいと言われている。
真面目って聞こえは良いけど、要するに衝撃を衝撃として受け取ってしまう
固くて弱い性格のことだ。
「あんたってダメな奴だね」と他者に言われようものなら「私ってダメなんだ」と
思う。そうやって他者の言葉に振り回されていると自分を見失う。
そしてこれ以上自分を失いたくないと心が反乱を起こして、うつ病になる。
うつ病さんは、「あんた、その生き方間違ってるでぇ。もっと自分を大切にしーや。」
といっているに違いない。
けどその言葉を聞き入れられないほどに、「真面目」性格に支配されているから
「私って、なにもできないダメな奴」とさらなる締め付けを行う。
うつ病のメッセージは「自分を大切に」なのに、病気の人自身が「自分はダメな奴」
といじめている。
それではいつまでたっても治りませんぜぃ。

例えば風邪。
風邪はだれでもひきますね。
でもひくにはそれなりのプロセスを経なければ、風邪菌も繁殖できない。
食べるものを食べて、心休まる人と過ごして、しっかり寝ていれば、そうそう風邪菌
にやられることはない。
つまり風邪菌さんは「あんた、ちょっとなんか欠けとるんちゃう?ちゃんとご飯食べ
とるか?」といっているに違いない。
けど風邪を引いた本人は、「風邪をひくなんてたるんでる証拠、みんなに迷惑かけ
たくないから解熱剤飲んで会社へ行こう」とする。
風邪菌のメッセージは「なんか足りへんで」なのに、風邪にかかった本人は、「解熱
剤でなんとかする」とメッセージを取り間違えている。
それでは風邪は治りません。

病気って最初はちいさーいところでイエローカード出してくる。
そこで「あっヤバイんとちゃう?」と自分を再点検できる人は、大病をしない。
ところが病気さんの言い分を間違えて解釈したり、聞かなかったりすると
病気さんがじわじわと拡大して、もっとひどい症状を引き起こす。

だから病気なんかいやじゃーと追い払うのではなく、なんで病気さんとまた出会って
しまったんやろ?病気さんが出てくるような生活しとったからやろか?
と自分に問いかけてみたら、意外と健康で長生きするのではないでしょうか。