「真面目が一番損をする」と心得よう

真面目という評価はね、褒め言葉でもなんでもないと思います。むしろ、「真面目なんだね~(呆れ)」や「真面目すぎるよ(勧告)」といった残念という烙印に使われています。

世の中って結局やったもん勝ち、すり抜けたもん勝ちな部分って多くありません?石橋を叩いて、間違ってないよね、おとがめ受けないよね、ときょろきょろしているうちに、出し抜かれる。

結局真面目が一番損をするんです。美味しいところをかっさらわれた残りカスを手にするしかなくなっている。そんな真面目生活、この先20年続けていきますか?

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真面目人間は大事なことを見落としてる

真面目な人の特徴ーは「字面どおりに受け取ること」です。これやって、といったら、きっちりこれをやってくる。これ守ってといったら、その通り守ってくる。ある意味期待を期待通りに返してくる安心をもたらしてくれる存在です。

しかし裏を返せば、これやって、といったら、これ以上のものはやってこない。これ守ってといったら、今以上にセキュリティーを上げては守ってくれない。期待以上の結果をもたらさないのです。

たとえるなら、結婚式の祝辞をメモ通りに読み上げるオッサンみたいな存在。間違ったことはいってないし、準備も怠りないけど、何かが足りません。

それは、言葉の字面、すなわち情報の面だけを取り上げて、情緒の面をそぎ落すからです。「これやって」みたいな短い台詞の中にも、これをやって欲しいという情報以外に、”困っているから手伝って欲しい”、や、頼んだらやってくれるだろうか”、といった情緒が込められています。情緒をそぎ落としてしまうと、やって(依頼)→やります(返答)に終わってしまい、お願いした側は見捨てられたような寒々しさを覚えます。もしこれが、やって(依頼)→もちろんやりますとも(返答)であれば、とたんに【頼りになりそうな感じ】まで感じられるようになるのです。

コミュニケーションは情報と情緒、どちらも必要です。真面目な人は、情緒をそぎ落とすのが習い性になっていますから、コミュニケーションに重大な欠点を抱えています。そのことが、真面目な人間の出世を妨げているのです。

真面目が一番不真面目

意外なことに、真面目な人間の心の底は、非常に不真面目だったりするのです。真面目にいよう、真面目にいよう、真面目にいよう、と律すれば律するほど、不真面目っていいな、自由だな、そうなりたいな、という欲望が首をもたげます。

真面目な人は、なにも真面目でいたくているのではないのです。周囲の目が怖いから、怒られるのがイヤだから、出る杭になって打たれたくないから、真面目という殻を被っているだけ。中味は煩悩だらけの人となんら変わりありません。ですからひとたびタガが外れると、取り返しがつかなくなるのは、真面目な人の方が圧倒的に多いのです。

痴漢をはたいたり、薬物依存に陥ったり、ホストやホステスに入れ込んで身を滅ぼしたりするのに、「あの人が?」という例があとを断たないのは、そのためです。

真面目人間ほど己のかわいい人はいない

さきほど真面目な人は、真面目という殻を被っているだけといいました。これが実に厄介で、真の姿は全然異なるわけです。ほんとうは、ちやほやされたい、注目されたい、大事にされたい、一番になりたい。とても幼く、わがままです。

そのわがままさを否定するから、余計そうなりたい願望が強くなっている。その願望たるや、自由気ままにふるまってる人などとは比べものになりません。自由気ままな人は失敗したら、「しょうがないじゃーん」で済ませるところが、真面目な人が失敗すると、ものすごい量のいい訳を並べ立てることをします。

なにがなんでも相手の言い分を聞きいれたくないのです。ちやほやされたない分だけ、絶対に自分を貶めるようなことをしたくはない。己を守るのに、これ以上ないほどの力を注ぎます。

自分のためだけの人は得るものも少ない

相手の情緒をそぎ落とし、真面目の殻を被り、失敗するとものすごい量のいい訳を並べ立てる真面目な人間。どうでしょう?愛嬌のある素敵な人に思えますか?

非常に自分勝手で傲慢な印象を受けます。意識のすべてが自分へ向けられていて、他者など見ちゃいません。要するに、自分を愛でてるだけ。そんな奴に優しくしたいと思うのでしょうか、手を貸したいと思えるでしょうか、寄り添ってあげたいと思うでしょうか。

人に与えた分だけ返ってくる。真面目な人間は実のところ何も与えてはいません。裏切らないけど、与えてもいないんです。だから得るものも少ないんですね。

他者の気持ちにまっすぐ向き合う誠実さは必要です。でも、真面目の殻を被る必要はありません。一度殻を脱ぎ捨てて、自分のでも相手のでもいい、情緒という存在と向き合ってみてはいかがですか。