情熱をもたない人は出世しない

思い起こすとSさんは、手段について考える能力は高い一方、目標を設定する
能力は皆無に等しい。
だから「将来どうしたい?」とたずねると「寝ていたい」という返答がくる。
夢はコンビニでバイトしてだらだら暮らすことなんだって。
尊敬できん・・・。

やることが決まれば、おのずとその手段は制約される。

けどやることを決めるのは無限の広がりがある。
だからやることを決める一番の要因は、自分が何をしたいか・何を成果として
残したいかだ。
微生物を研究してもいい、難民キャンプを支援してもいい、料理屋をはじめてもいい。
私が何をしたいか ただその情熱だけで、自分の人生の矛先は決まる。

私はたくさんのやりたいの中から、今できることを探して実際にやってみた。
当然ながら多くのスキルを身につけることができた。
失敗もあったけど、多くの経験が豊かな発想力を育ててくれたと思う。
前向きな生き方をしてきたからこそ、Sさんの無気力さが理解できない。

私は電気的技術力が欠けていたため、Sさんをはじめ、お付き合いした人の
技術力を尊敬し、能力の高い人だと信じてきた。
しかし、思い返してみると、どの人も人間としてまったく魅力的ではなかった。
その一因として、情熱なり感情なりという情緒的要素が恐ろしく欠落していたためと
推測される。
だから付き合っている間に「この人は器の大きい、すばらしい人材だ」と感じた
ことがないのだろう。

センスがあることも能力だ。
けれども、センス以前に何をしたいか・何を成し遂げるのか考え続け、実行できる
ことこそが一番の能力だと思う。

Sさんと離れてみて思うことは、ひたすら魅力のない残念な人間だということだ。
私は熱に浮かされていた。現実を見たら、Sさんはたいしたことないってとうとう気が
付いたのかも。