自己肯定力を獲得する大切さと難しさ

 

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―

 

 を読んで怒鳴られても、やさしさを返そうという心意気に強く共感しました。
暴力や恫喝よりもやさしさの方が強いのは、やさしくされて嫌な人はいないからです。
それどころか、強く出ている人こそ、心の中でやさしさを求めている。
だから最終的にやさしさが最強ということになるのです。

著者は父の背中を見て、育ったと言います。

医者である父が、病気ではなく、先ず人を見る医者であったこと、
患者さんのために尽力する医者であったこと
そんな父の姿勢から多くを学び、同じように生きたいと願い様々な職を経て、
歌舞伎町のホテルの支配人にたどり着いた と。

尊敬する親を持たず、周りに恵まれていない我々アダルトチルドレンは、良き
ロールモデルに会うことが出来ず、「愛」がなんだかを体験する機会もなく、
ただただ息をして無難に毎日生きていたのです。
そんな人間が「愛」に気がついて、愛を与えられる人のようになれるのでしょうか?

与えられて、渡すはできます。
与えられずに、自分で培養して、渡すはとても難しい。

どうしたらよいのでしょうね。

夏目漱石は、幼少の頃親戚中をたらい回しにされ、愛を知らずに育ちました。
しかしロンドン留学中に、自分への愛->即ち自己本位を見つけました。
「私の個人主義」(夏目漱石著)
漱石は自己本位という考えを見つけてからは、どんなに上手くいかなくても
強く生き抜くことができた。

三輪さんも本著のなかで、「自己肯定力」「自画自賛力」が大切だと説いています。

この力は、誰にでも簡単に宿る物ではない。
けど漱石は、考え抜けば、手に入ると自らの人生をもって証明している。

私は未熟者なので、まだどうしていいか、分かりません。
いっぱい悩んでいる。
この先、どん底の人生が待っているかも知れない。
そんな人生でも一筋の光を見つけたいなら、自己本位を見つけざるを得ない。
さあて、どうしようかな。