離婚における弁護士の役割

離婚になぜ弁護士が必要だと思いますか?
慰謝料の折り合いが付かないから?親権をとる必要があるから?
いえ、双方が冷静でないからです。

もし、争う者同士が、冷静で、法律に沿っていくらか算定しよう・条件を決めようと

するなら、裁判所は必要かも知れませんが、弁護士まで雇わなくてもいいのです。
ちなみに弁護士を雇うと最低でも50万円くらいはかかるので、それを慰謝料に
割り当てた方が、互いのためというものです。
明らかに、大金を支出するのに、弁護士を雇うという矛盾が生まれるのは、
人間の執着故でしょうか。

人は相手が自分を否定すればするほど、自分が正しい!と証明したがります。
当人の心的現実において、主張していることは真ですから、そう主張したい気持ちが
あることは理解できます。
ただ、心的現実と事実は違います。
-心的現実と事実は違う-という真実に気付いている人があまりにも少ない。

実際裁判をやれば、嫌でも感じることですが、大切なのはどう思ったか(心的現実)
ではなくどうであったか(事実)なのです。内心は判決の判断材料になりません。
その心的現実を事実と照らし合わせる役割を担うのが弁護士です。
言ってみれば、弁護士は第三者に分かるように説明する翻訳家みたいなもん。

私は離婚裁判をする場合、せめて訴状、準備書面は当人が書くべきかと思います。
(添削を弁護士・司法書士に任せるのはいいと思う)
そういう面倒な手続きを自ら行うことで、自分の主張の不確かさや、主観に拘っている
といった点を振り返ることが出来るからです。
人は、自分で考えなければ、自分の過ちに気付くことも、自分が偏った物の見方を
していると反省することもできません。

裁判では証明という壁が立ちはだかります。
陳述書一つ書くにも、冷静さが要求されます。
証明する難しさを痛感することによって、いろいろ気づける事があると思うのです。

弁護士に丸投げして、自分の主張を言いまくって、高い弁護士費用払って、で
何が得られますか?
慰謝料はとれるかもしれませんが、ただの札束は、自分の明るい未来を切り開いて
はくれません。
金は所詮金です。

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人が執着から離れられないからこそ、盛況なビジネスがあるという事実は、興味
深いです。
そう考えれば、世の中の何割かは執着を中心に回っているのかも知れません。
部長お気に入りの課長が先に昇進するだとか、自分の意に沿わない人には
もうけ話をもっていかないとか。

執着から離れられなければ、執着を解決してくれる人のお世話になり続け
なければなりません。
執着がもたらすビジネスのお客さん側に居続けることは、得策とは思えません。
早く執着から離れて冷静さを持てるように、自己鍛錬していきたいですね。