律儀な母親と無気力な子供

きっちりかっちりした母親と覇気のない無気力な子供というセットはけっこうある。
律儀な母親は、なにかにつけ「~すべき」「やって当然でしょう。」という言葉を連発
する。
子供がかけっこで1等をとっても、出来て当然
テストで90点ならば、「あと10点、どうして取れないの?」
兄弟の面倒をみても、「長男だから面倒をみるべき」と言う。

頑張って頑張って、頑張り尽くして、誉められることが・・・ない。
努力しても、報酬が得られないと、「結局やってもやらなくても一緒」という考えに
とりつかれる。
かくして、無気力な子供は出来上がるのだ。

子供は無条件に親に認めてもらいたい、愛してもらいたいと思っている。

その心を無碍に扱うと、後々とんでもないしっぺ返しを子供から喰らう。
不登校、引きこもり、ニート。
その原因を作ったのは紛れもない親です。

その親当人も、律儀な生き方故、息抜きできず、うつ病を患っていたりする。
自分の身体が律儀さにNOと言っているのに、それに気がつかず、子供に自分と同じく
律儀であれと言う。
なんと愚かな親よ。

受験勉強、習い事でタイトなスケジュールの子供は、いつ自分の遊びたい、楽しみたい
という心と触れあうのでしょう。
全て管理された世界では、自らのしたいを感じる暇すら与えられません。

好きなことこそ、上手なれ。
心の中の楽しいが未来の職業に結びつくのが、一番華開く人生です。
言い換えれば、楽しいことを見つけられない人は、平々凡々な人生か、自堕落な
人生しか送れません。

バブルの頃は、平々凡々もなんとか会社に居残れました。
今は優秀な外国人に籍をとって代わられます。
親の律儀さが、子供の居場所を無くしルーズな生活を誘引する。
なんとも皮肉な結果です。

中学の時、そこそこ受験戦争の激しい地域に住んでいました。
あのとき競争し合ったクラスメイトは、今頃どうしているでしょうか?
生き生きしているのか、死んだ魚の目をしているのか。
子供の未来の半分以上、親にかかっていると私は思います。