無料カウンセリングの問題点

今まで何度か無料のカウンセリングを受けてきました。
そのときの良いと思った点と悪いと思った点を書いておきます。

<良い点>

金銭負担がないので、気軽に受けることが出来る
問題を吐き出すことで、気持ちが楽になる→早期に手を打てば重症化しない

<悪い点>
自分の感情を吐き出すことが出来た快感におぼれ、問題を解決しようという意識に
目が向かない。(何回やっても無料だから成果を求めない。結果だらだらする)
回数制限があるので、納得いくまで続けることが出来ない

とどのつまり、”無料”とは、カウンセリングに対する知識のない人に体験して
もらうことで心理障壁を減らし、重症になる前に病院を勧めるなど重症化予防と
して役立つのです。

根本的に治癒するためには、とことん向き合うカウンセラーを見つけ、自分を
金銭で煽り立て、真剣に、そして短期間に治すぞと覚悟することなのです。
よいカウンセラーは、無用にカウンセリング期間を延ばしたりなどしません。
困っているときは助けるけど、自分で解決できる力がついたら、卒業してね
というスタンスなのです。

初めてカウンセリングを受けるとき、兎に角面食らうのは、話すだけでお金が
取られるということです。
おそらくほとんどの人は、話すだけで料金を支払うという経験がありません。
親とも友人ともタダで話してきたハズです。
私も巨額を投資して、カウンセリングを受けてきましたが、最初の内は?が
頭を離れませんでした。
それもカウンセリングとは、カウンセラーが何かしなさいと指示することは滅多に
なく、ひたすら自分が話すのです。

えっ?自分が話すのにお金を払う?講演会でも弁護士相談でも、話を聞くから
お金を払うんじゃない?と思っていました。
十数回カウンセリングを受けて、やっと料金の意味が多少分かったような様です。

カウンセリングは、知性や知能を磨くことではありません。
自分を知る行為です。
今までの対人関係とは全く異なる未知のアプローチです。
一言でいうと、自分と自分が話すという空間を提供されるということなのです。

そう考えると、自分と話すというのは、日常生活にありませんね。
その特殊空間に身を置くことによって、患者は自らを振り返り、自らの力で回復して
いくのです。
カウンセラーは、そのような空間を作れるよう、訓練を受けています。

部屋に机と椅子2つ。
とてもシンプルな空間です。もしかしたら自宅とそう大差ないかもしれない。
その見た目がまた、カウンセリングに料金が発生する事への違和感を助長
しているのかもしれません。
(お金持ちのクリニックは、装飾豪華もあるかもしれません)

でも専門家を拘束すること、特殊空間に身を置くことを考えれば、それなりに
料金が発生することは当然でしょう。

無料カウンセリングという言葉のイメージで、お金を払わなくてもカウンセリングが
受けられるという意識が先行すると、それだけ問題の本質に迫るタイミングが先延
ばしになります。

入門編ばかり勉強していても、肝に迫ることはできません。
無料を重ねても、本格的な治療とはならないです。
心を本気で治したいと思うなら、どこかで腹をくくらねばなりませんね。