子供が生まれて嬉しいのは何故?

子供が生まれると、産んだ母、父、親族みんなが喜んでくれます。
じゃあ、どうして子供が生まれるとそんなに嬉しいんでしょう?

私は「自分の生きている意義を与え、再確認させてくれるから」だと思います。

人は自分一人だけで生きていては、自らの存在意義を感じることが出来ません。

他者を通して、自分を理解します。
子供というのは、自分の血を引いたおなじ種(人間)です。
そんな相手を誕生させることの出来た自分は、人間として生きている価値があった
と、誕生の瞬間、一番強く感じることが出来る。
だから「生まれてきてくれて、ありがとう」なのです。
産んだ本人以外も、血という意味で、その子供がいまココに誕生することに寄与した
のですから、やはり子供によって自らを振り返り感じることが出来たのです。

ところが望まぬ妊娠をして、適切な知識なく子供を産み落とす若年の母親(主に
学生)がいます。
誰からも見守られることなく、ひっそりとトイレなどの個室で産み、子供を捨てる。
同じ生命の誕生なのに、誰一人喜んでいません。
若年の母親にとって、子供は自分を認めるための存在ではなく、自分を困らせ
、自分の存在を脅かす対象なのです。

つまり子供の誕生が嬉しいのではなく、自分が(自分と周りに)認められること
が嬉しい理由です。

私が子供を欲しがらないのは、そもそも自分を認めていませんし、頑固にこびり
ついた自己否定は子供の誕生程度では、はぎ取れないと思っているからです。
もし、私が自己否定を抱えたまま子供を育てれば、少なからず子供にも否定
の言葉を浴びせ、その子も私と同じ自己否定に悩むことになる。
そんな不幸せが分かっているのに、みすみす可哀想な命など誕生させるわけ
にはいきません。

動物は種を保存する本能を備えている。
なのに人間は種の保存を喜ぶこともあれば、疎ましく思うこともある。
それだけ人間は”本能”のみに支配されているのではないということです。

国は少子化対策の銘打って、子育てのインフラ整備をします。
インフラが整って、でも人々の心の中に自己否定が蔓延したら、果たしてどれだけ
の人が積極的に妊娠し、出産を喜ぶのでしょうか。
私個人の意見としては、うつ病対策や自殺防止プログラムを活発にし、自己肯定を
強化・推進することで、自然と出生率は上がると思います。

産みたいけど産めないのが一番の原因ではない。
産みたいとさえ思えないことが原因ではないでしょうか。