読んだ本と尊敬する師の変遷

久しぶりに親に会って、”どんだけ尊敬に値しない人物なんだ?!”ということを実感しました。

選民思想・排他的・責任転嫁・短絡的思考と行動・見栄っ張り。
もし身近にいたとしたら、確実に友達にはならない部類の人々でしょう。

親を尊敬する?←ポイントがありません。


今回の帰省で、父が結婚を申し込んだ理由と、母が結婚を受けた理由に開いた口がふさがりませんでした。
おまけに父の浮気の話まで出てきて、「コイツら、バカか?」と思った次第です。

さて、そんな人に囲まれて育った私には、正しい思想を学ぶチャンスがありません。
30才前くらいまでは、思想なんて必要ないと思っていました。
それが、病気で倒れて、心の支えが必要となったときはじめて思想の必要性、しいては「師」とあおぐ存在が必要なことに気づきました。

とはいっても、周りに師匠と呼べるほどの逸材はおらず、書店に並ぶ本に、「師」を求めました。
そこで出逢ったのが、大前研一氏。
考えることの重要性に初めて気づかされました。
コンサルタントという、あまりなじみのない職業を知ることも出来ました。
何冊も氏の上梓した本を読むうちに、”頭はいい。言っていることがよく分かる。けど少しだけ自分よがりで、尊大な態度があるなぁ・・・”と感じ始めました。

そこで視野を広げて、精神世界の本を読み始めました。
最初はアダルトチルドレン治療の第一人者の本を何冊か読みあさり、深く心を救われ、また時にぐさっと刺され、置かれていた境遇を見つめ直すことが出来ました。
何年かが過ぎ、アダルトチルドレンの本だけでは、どうも救われそうにない。前を向くほどの力が湧いてこないということに気がつき、次のステップに進むことにしたのです。

このとき手にした本が、泉谷閑示著  

「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)

「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)

 


最初難しくて、半分も理解できませんでした。
けれど、何か前に一歩踏み出せそうな感じがして、いい本と出逢った!と喜んだのを覚えています。
[あとがき]に心を打たれてお手紙を出したところ、泉谷先生から直接お返事をいただきました。
それがきっかけでクリニックに通い始めました。
私がこの著書に出逢ってから、立て続けに何冊かの本が発売となり、すべての本を購入し読破しました。
これ以上の師はいないと思いつつも、他にも岡田尊司氏の著書も平行して読んでおり、両者とも甲乙つけがたく素晴らしい「師」であると、ありがたく思っていました。

しばらくクリニックに通って、よくありがちなカウンセリングの停滞感に悩まされ、そこに東日本大震災が起こり、自らが被災したことも相まって、クリニック通いはストップしました。
そして、本で感じる著者と本当の人は必ずしも一致しないのだという事実に、多少の戸惑いを覚え、そのころから岡田尊司氏の本の方をよく読むようになりました。

岡田尊司氏が精力的に出筆されていたお陰で、読む本に不足するということはありませんでした。
ただ図表を用いた説明が少ないこともあり、文章の羅列だけでは論理的組み立てが難しく、”あれ?何が何に含まれていたっけ?”と混乱することがままありました。
また氏は心の温かい素晴らしい人柄なのですが、如何せん精神疾患を抱えた人を対象とした書籍が大半で、読んでいると、自分の中に若干の偏りが生じるような気がしました。
もう少し平均的な人間像を求めたい。

そう思った頃に、ベストセラー 

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 


を図書館で借りました。
めちゃくちゃよく考えられて書かれた本であると思います。
しかし私の実力では100%理解することは出来ず、なんというか・・・今まで正しいと思っていたことをぐるっとひっくり返されて、もう一度練り直し
みたいな感想を持ちました。
価値観をひっくり返すという意味では、非常に意義があったと思います。

ここから子育てに目を向け、「褒めないことがいいこと」と主張している岸氏のエッセイに触れ、

 

「ほめない子育て」で子どもは伸びる

「ほめない子育て」で子どもは伸びる

 

 
という本を、これまた図書館で借りました。
この中で、本来子供の心とやる気を育てるには、このような配慮が必要であったことに初めて気がつきました。
これは、大の大人が読んでも十分為になる書です。

もっともっと人と接するとは何かを知りたいとの思いを抱き、ネットサーフィンをしていると、水島広子氏の

 

女子の人間関係

女子の人間関係

 

 

という本の一部が掲載されていて、女性ならではのしがらみをどう生き抜くかのところが大変に面白かったので、比較的最近上梓した

 

自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法

自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法

 

 
を、これまた図書館で借りました。
この本は、あまりにもよい本だったので、後に購入しました。

ただ、ここまで出逢った中で、「師」として仰ぎたいと思える人は、泉谷閑示氏以降出てきていません。
このまま「師」なしか?と思っていると、またまたネットサーフィンで強烈に惹かれる文に出逢いました。
現代ビジネスに寄せられた[「言葉」だけで商談している人は、仕事ができない~「深層対話」の技術をどう身に付けるか]の文に、頭をガツンとやられた気がしました。
これは、先日から何度も人生で出逢った中でNo1の書籍だ!と言っている 

 

仕事の技法 (講談社現代新書)

仕事の技法 (講談社現代新書)

 

 という本の抜粋でした。
これは新書ということもあり、即購入しました。
amazonでは二週間待ち、近所の本屋さんで午前中問い合わせで数冊有ったのが、私が買いに行ったとき残り一冊だったことから考えても、大大ベストセラーなんじゃないかと思います。

田坂さんの綴る論理的、哲学的、心理的世界に私は魅了され、田坂さんの謙虚で厳しい姿勢に心が打たれました。
やっと次の「師」に出逢ったのです。
ここから何冊か図書館に所蔵しているものをよみ、

 

使える 弁証法

使える 弁証法

 

 

 

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

 

 
などで、さらに田坂セオリーを学びました。

私は、単にアダルトチルドレンだから傷ついて癒やされる必要があるんだーというところに留まるよりも、傷を癒やしたら、その先へ進もうとする方が性に合っています。
健全に育った人でさえも、始終心が強いなんてことはナイ。
健全であってももろい心ならなおさら、私のような人間は「師」が必要です。
「師」を尊び、めざし、成長していく人生を選びたい。

私のように「師」を書籍に求めるならば、だれでも平等に「師」を持つことが出来る。
どんな生まれであっても平等に自身を立ち直らせるチャンスはあるーそう信じたいです。

※ご紹介した本はほとんど図書館に所蔵されています。購入もよいですが、是非図書館を有効活用して下さい。