物事の裏側を見るクセをつけて騙されないようにしよう

ヤフーニュースに「ママ起業」ブームの影で「期待外れ」の起業セミナーというなかなか興味深い記事が出ていた。

子育て中のママはサラリーマンのように全力で働くのが難しい。時間調整の利く起業という形は、彼女たちの「社会と関わりを持ちたい」「お金を稼ぎたい」というニーズとマッチしやすく、ママ達を虜にした。

だが蓋を開けてみれば、怪しいセミナーに何十万円と巻き上げられ、大した講習も受けられず、「ママ起業」をしたい目的を共有した友達作りに落ち着くことが多いのだそう。だったら起業趣味サークルでもやれば?と思わなくもない。

ネット上に転がる「成功しました!」なんて、ほとんどセミナーへの参加者を募るためのエサ。本当に成功したなら、そのノウハウをわざわざ人に教える?門外不出にして、がっつり儲ければいいでしょ!

そうしないのは、それだけじゃ大した稼ぎにならないから。ノウハウを売った方がお金になるから。
民間資格とかは、自分で資格取って儲けるより資格を取る講座を開催して生徒を募集した方が圧倒的に儲かる。これ儲けの常套手段ね。

けれど、問題は起業セミナーを開く側だけでなく、ママ達にもあるように感じる。記事中のママ達、なんだかとってもお気楽そう。

ママ達の働くことへのゆるふわ感

自分が職場で働いていたとき、どれくらいの労働をしてどれだけの給与をもらっていたのか忘れてしまったのだろうか?

裁量権もなく、きっちり労働時間は拘束され、不本意なこともやらされて、時に頭壊れそうになりながら働く。その対価としての月給。会社という組織に使用人(従業員は使用人とIR上表記)として尽くすことと引き換えのお金。だから自分は主ではなく従。

ところがママ達は「私が心地いい働き方がしたい」と、しっかり主になってらっしゃる。
すでに有名なカリスマとかなら分からなくもないが、無名の人間がなにゆえ自分を優先する?それならお金は心地よい働き方をさせてくれる相手にお支払いしなきゃ。

他人は自分を立ててくれる道具じゃない。立てては欲しいがお金も欲しいって、それテイク&テイクです。ありえません。いつからそんな都合よく脳内変換してしまうようになったのでしょう?
ビジネスの場は、利害と利害のぶつかり合い。とてもつもなく厳しいです。自分に都合よく脳内変換をしてしまうゆるふわ感人種が参入する余地はありません。

怪しいセミナーはよく考えればおかしいことだらけ

セミナーの勧誘の言葉も巧妙だと言うが、そんなのちょっと考えれば、だましの手口だって分かる。
「(お金を出す)覚悟があるかないかで成功できるかどうかが決まります」って・・・。

じゃあ、100万円積んだ人と1万円積んだ人とまったく積まなかった人の成功の違いをデータ出せます?って話じゃん。
自分がある習い事をするとして、100万円積んだ先生だからってその人選ぶとかある?それより丁寧に教えてくれるとか、コンクールに優勝したとか、そーいうの気にしない?
お金と成功は無関係。まだそこへ投資した時間とか、海外まで修行に行った経験とか、の方がもっともらしくない?

それにノウハウを蓄えてるセミナー主催者は儲かって仕方ないんだから、本業に忙しくて講演なんてしてる暇ないじゃん!本業頑張れば?って話。

騙されないためには、裏に回って相手の背後からこの状況をみよう!

自分の側からみるから、美味しい話に飛びつきたくなる。社会経験が浅いほど、飲み込まれる。

だから相手の背後に回って今の状況を見つめる。相手の目には、私を勧誘できるとどんなメリットがあると映っているのか? 考える。
そしたら、「これで○万ゲット!」とほくそ笑んでる心が見えてくる。

物事をなるべく客観視するには、

  • 自分から見た世界
  • 相手から見た世界
  • 自分と相手を含む外野からみた世界

の三つを最低限見ること。
二番目と三番目はとくに意識して。

それが見えるまでは起業話に乗る技量はないと諦めるべし。
「今はお金がない!」と起業話を一旦ストップして、周りの意見を仰いで三番目のチェックを受けてからにしましょう。