恋に落ちるとき、それは求めていた片割れに出会ったような衝撃がある。
ずっと一人ぽっちで、誰も分かってくれなくて、見捨てられたように感じてた世界で、たった一人私に向き合ってくれた、ほほえみかけてくれた、優しく言葉をかけてくれた。
その「向き合ってくれた」感じが嬉しくて、もっと「受け止めて欲しくて」、何度も相手を思い返す。
燃え上がる恋心はとどまることを知らず、会えない時は彼を思い、会えたときは彼との時間をめいいっぱい抱きしめる。24時間、彼、彼、彼。
これ以上無いほどの盛り上がりを見せる恋。なのに、なぜか上手くいかない。私の思いが必死なほど、彼は離れていく。この恋を成就したい、いつまでも彼といたい、なのになんで?
そう思うなら、考えてみて欲しいことがあります。
会いたいのは彼かあなたか
おそらくあなたは普段からまぁまぁ情緒不安定です。自信が持てず、安心できる居場所がなく、フラフラ~と流されながら生きてる。でもホンネは違います。もっとしっかりしたい、もっと自分らしく生きたい、強固な人間関係を構築したい、と思っている。
そんなあなたが慢性的に罹患しているのが「受け止めて欲しい病」。
世界のどこかに私を分かってくれる人がいて、その人に出会えば、鬼に金棒、百万力を得たも同然、強く生まれ変われる、と信じています。
いつもいつもそういう相手を密やかに探しているあなたは、あるときそれを叶えてくれそうな相手に出会った。それが彼です。
彼と一緒にいれば、寂しさが吹き飛び、安心できる居場所が得られ、なんだか自分を好きになれる気がする。だから、彼とひとときも離れたくない、と願うのです。
でも彼は同じように思っているでしょうか?
一人になりたいときもあれば、何かに熱中したいときもある。仲間とワイワイ騒ぎたいときもあれば、親孝行したいかもしれない。あなたが彼を世界の中心に据えてるのに比べて、彼はあなたを世界の一部にしか置いていない。
この差が二人の仲を裂く原因です。
「受け止めて欲しい病」はとどまることを知らぬ病
一緒に居たい感覚の違う二人がつきあって、上手くいくハズがないですね。
特に「受け止めて欲しい病」にかかっている側は、生まれてから今までのたまりに溜まった怨念?をドバーっと注ぎたい。ずっと抱えてきた悩みを、解消してしまいたい。その情熱たるや、鬼気迫るものがあります。
両者の温度差はものすごい。
彼はそこまであなたにすべてを捧げるつもりで付き合っていませんから、鬼気に負かされて、ひょえ~と逃げていきたくなります。あなたが「私のこと好き?」と聞く度、”なんかオレ、好きであることを強要されてる?”という気になって、盛り上がっていた気持ちがどんどんしぼんで米粒レベルになる。
こうなると、鬼気迫るあなた VS 気持ちが米粒レベルになった彼 になるので、バランスが極端に崩れてしまい、恋は終了~するのです。
恋は「大好き」くらいの軽さで始まるのがいい
恋をするのは、生きてる人の特権です。誰かを好きになり、誰かの幸せを願う気持ちは尊い。でもそれには、「大好き」以上の踏み出しはいりません。あなたが相手に気持ちをかける以上の、相手からもぎ取るといった出過ぎた行動は、してはいけないんです。
あくまで自分がそうしたいからする。相手がどう思おうとそれは相手の自由であり、場合によって自分の気持ちをひっこめなくちゃいけない。それくらい距離があって、遠慮があって、というのがおそらく男の人にとっては邪魔じゃない、ずーっと続く恋なんだと思います。
つまり、自分の情緒不安定さは自分で治め、「受け止めて欲しい病」も彼以外の力を借りて治癒する。そうやってなんでもかんでも彼に頼るのではなく、彼がいなくても自分でなんとかできるのよ!というところを見せると、彼は安心してあなたと一緒に居られる。
なんやかんやいって、男は頼ってくれつつも精神的に自立した女性が好きです。だからこそ、あなたがやることは、女磨きでも、料理の腕を上げるでもなく、まずは気持ち的に自立することです。彼に寄せる思いの幾ばくかを、自分の意識の確立に使いましょう。