「重い女」と言われたときの「重い」とは何だ?

せっかくお付き合いが始まってウキウキしていたのに、ひと月すると連絡が途絶えがちになり、ふた月すると「ゴメン。お前、重いわ。別れよう」とフラれる、を繰り返していませんか?

彼に気に入られるように一生懸命努力したのに…
頑張って尽くしたのに…
女の子らしく振る舞おうって無理したのに…

なにがいけなかったの?って、頭かかえちゃいますよね。そんな人こそ、立ち止まって考えていただきたい「重い」の正体。
いったいあなたの中の何が「重い」と思わせてしまっているんでしょう。

あなたが「重い女」認定される理由

結論から言います。
あなたが「重い」のは、①現在(いま)を共有したがり、②未来をさっさと決めたがり、③価値感の共有を強いてるから、です。

この3つがそろうと、彼は現在も未来も奪われたあげく、自由な価値感を持つことさえ禁じられた、と感じてしまう。息苦しい。
誰でも自分らしくありたいし、自分の時間軸で生きたいんです。
あなたが二人のためにと思ってやってきたことが、彼をがんじがらめにしてしまっていました。

現在(いま)を共有したがるとは?

女性は付き合いがはじまると、毎日会いたがります。離れている時間も彼氏がどうしているか気になって仕方ない。メールしたり、電話したり、とにかくつながっていたい。
他の異性と絡むなどもってのほか。同性に会うのでさえ、自分との時間が減ると嫌がる人もいます。

彼女にとって24時間、365日いつでも一緒がベストコンディション。

では男性にとってどうでしょう。

一人の時間が欲しいし、成長のために勉強の時間も必要だし、彼女と離れてないと出来ないこともある。会いたい半分、一人で居たい半分です。
けれども、彼女は一人で居たいを許しません。「好きなら一緒にいたいよね」を押しけてくる。これは、一人で身軽にいたい彼氏の心は窒息してしまいます。

あなたが現在(いま)を共有しようとすればするほど、彼はその気持ちの重さで海底に沈められていくのです。

未来をさっさと決めたがるとは?

付き合いはじめてしばらくすると、女性は将来を考えます。「この人といつか家庭を築くのかしら?それは何年後なのかしら?」。こうなると未来への約束を欲しがって、家族へ紹介しようとしたり、結婚の話を持ち出したりします。女性にとって、付き合うことの終着駅は、結婚です。早め早めに結論を出したがる。

もし彼が結婚を切り出してくれたなら、結婚や出産はどうするんだ?の悩みから解放される。出産が時間との闘いの女性にとって、将来の約束を得られることは、この上ない安心です。

では男性はどうでしょう?

彼女が自分にふさわしいか判断つかないし、結婚すると決めるには覚悟がいるし、なによりも結婚の意思が固まってない。まだまだ時間を共有して、じっくり相手のことを見極めたいなぁと思っています。

でも彼女には、悠長に待つという選択肢はない。「好きなら迷うことないじゃん。さっさと決めなよ」と迫ってくる。これでは、自分の意思が固まるまで待ちたい男性の自分で切り出したい気持ちは台無しです。

あなたが将来をほのめかすほど、彼は自分のタイミングで決めるんだ!という気持ちに鍵がかけられたように感じます。

価値感の共有を強いるとは?

「質の良いものを身につけて欲しい。ホンモノを見抜く目を持って欲しい。」、そんな思いから、彼の誕生日は奮発する、という女性は少なくありません。高価なものを贈るというのは女性にとって、信頼の証なのです。と同時に、自分にも高価な物を贈って欲しい、というシグナルです。

高価なものを贈ることは、彼への愛の深さを表しています。愛しているからこそ、懐の痛みなどものともしない。

でも男性はそう思うでしょうか。

そもそもブランドに疎ければありがたみを感じることはできないし、かといって高価なものと分かったら分かっていたで恐縮してしまいます。もらったはいいが、お返しに何期待してるの?とビビってしまうかもしれない。そして何より、「とくにブランドや高くて質のいいものに興味がない」といった価値感を脅かされているように感じます。

はっきりいって「機能さえみたせばいい」と思っている男性は多く、ルイヴィトンよりユニクロの方がよかったりする。そんな機能重視の価値感を無視して、「これいいでしょ?あなたのために奮発したの」などと言われた日には、「オレの安くて機能のしっかりしたものが好き」という価値感はどうなるんだ?という疑問を抱きます。

愛情たっぷりの高価な品は、ともすれば彼氏を価値感を押しつぶす巨大な重しへと変化してしまいます。

「重い」の正体とは?

男女はこのように見事なまでにすれ違っている。なのにあなたは、彼には別の価値感がある、という考えに思いが至っていません。自分の考えこそが正しいと信じて突き進んでしまっている。

結果として突きつけられたエネルギーの塊に押しつぶされた彼が、耐えきれなくなって、お別れを告げる。この繰り返し。我が正義を押し通したせいです。

誰の心にも、その人なりの価値感や正義があって、ときに譲りときに譲ってもらいながら生きていくのが人間関係です。こんな風に一方が譲られ、他方が譲るに役割が固まっていては、もはや関係などではない。

支配です。

支配は相手の自由を奪います。自由に羽ばたこうとする羽を支配の重力でもちあがらなくさせてしまっている。つまり「重い」の正体は、「支配の重力」です。

「重い」女を辞めるには?

そんなつもりはない。私の中の「重い」を無くしたい、と思うならば、相手を支配したい、という気持ちを手放すことです。

自分の考えを横に置いて、相手の考えに耳を傾けてみる。自分はこう思う、相手はこう思うを天秤にかけて、自分に肩入れすることなく、両方をぼーっと眺めてみる。そして重なるところが見つかりそうなら、付き合いを継続すればいいし、見つからなければ、お別れすればいい。

大事なことは、双方が心を殺さずにいられるということです。誰にも支配されることなくいられることが、長続きの秘訣です。

とはいっても、どうしても別れたくない、でもここは自分も相手も譲れず真っ向からぶつかり合ってる、というところが出てきたら、迷うことなく「交渉」に入ります。そのとき頼れるのが「弁証法」。

弁証法とは「テーゼ」と「アンチテーゼ」という真逆の考えに対し、どのようにまとめていくかを論じたものです。
たとえば紅茶が好き・コーヒーが嫌いという人と、コーヒーが好き・紅茶が嫌い、という人が弁証法に則って話しをするとき、コーヒーがいいか、紅茶がいいか、という論議であれば、決着はつきません。ところが「ホッとする飲み物が好き」ということで考えるならば、互いが難なくYESと言えるわけです。この「ホッとする飲み物」にたどり着くための考えが「弁証法」です

考えるランクを一段上げることで、不可能が可能になることもあります。どちらかが我慢し、どちらかを押し通せば、かならずや心のため込みが発生します。ため込まれた何かは、いつか悪さをします。だからその都度その都度、交渉をして互いの納得を引き出す。

部屋の掃除と一緒です。物を保留にしない、その都度その都度、仕舞う場所をあれこれ考えて(自分の頭の中で交渉)、収めるべきところに収める。そうすると長きに渡って家をきれいにしていられます。

「重い」女は、なんて悲しいこと言われたくないですよね。だったら、抜本的な意識改革するつもりで、自分ばかりを押し通さず、二人の考えをまとめるために一段上の考えを探す、に取り組んでみましょう。