おひとりさまが増えたわけ

世の中には、仕切り屋と受け身がいる。
会社の忘年会を例にしてみると、忘年会の段取りをする側と、出席を訊かれて
答え、参加するだけの人。
おもしろいことに、参加する側の方が贅沢だったりする。
会が終わった後で、お店の雰囲気がいまいちだった、料理がまずかった など曰う。
段取りする側の気苦労や労力など、頭の片隅にもない。
こういうタイプは、常にもてなされる側に居座ろうとする。
自分中心に世界が回っている。

参加する側の無責任な発言を聞いて、仕切った側は落胆すると同時に怒る。

「だったら、アンタがやればいいじゃん!」と思うのだ。
仕切り屋には、メリットが少ない。
あえていうなら、開催時期や開催場所を決定する権利があるくらいだ。
でも決定するってことは、同時に責任も発生する。
正直面倒くさいのである。

そこで仕切り屋は、気がついた。
「ひとりで出かければいいんじゃん!」
最初は勇気ある人が、一人焼き肉、居酒屋、カラオケ、旅行をしていたのだろう。
そしてひとりでやる気楽さがクセになって、もっと範囲を拡げていく内に、おひとりさま
ブームがやってきた。
今や、一人で食事に行っても、誰も干渉しないし、変な目で見ない。

本当は誰かと出かけて、同じ時間を共有できればベストだ。
でもそうなるためには、自分にも相手にも対話力が必要。
でも対話力は、今日明日身につく物ではない。

おひとりさまの増加は、必然だったと思う。
村社会->個の社会 の流れはこれから益々加速するだろう。
個と個がおもいっきり離れた先に、互いに繋がる重要性が見えて、良い距離で
他者と関わる時代になれたら、日本人もちょっとは大人になったかなと思うのです。