弱音の言えない人

他者の弱音は聞くのに、自分の弱音は言えない という人いますね。
ホントは「助けてー」「聞いてー」って思ってるのに、「言ったら相手の迷惑になる」
「聞かされる方は辛いだろう」と先読みして躊躇する。
一見すると、相手のイヤな所は受け取り、自分のイヤな所は出さない”大人”な人
に見えます。

でも、違いますよ。
自立した”大人”は、他者に上手く頼れる人です。
自分の限界をわきまえている人です。
限界をわきまえているからこそ、限界より外と感じた所では、素直に助けてください
と言える。
これが分別があるということです。

弱音が言えない背景にはいろいろあるでしょう。

他人に相談したら、「そんなのたいしたことない」と取り合われなかった
他人に相談したら、「自分が弱いから」と罵倒された
他人に相談したら、「相談に乗るのが苦手なんだよねー」と言われた
相談に相談を重ねて、相手から「重い」と疎まれた
という経験から、諦めの境地にはいることもあれば

親に「弱みを見せたら、他人から攻撃される」だとか「他人の力を借りることを
してはならない」と言われ、自分の殻を厚くしてしまったなど。

弱さを出せる人間は強いっていいます。
それは、弱音が言えない背景を乗り越え、それでも問題解決の為に邁進できて
いるからです。
弱さを出すことで受ける批判や揶揄をはねとばす自己があるからです。

本当は絶対安全基地内で、弱音を出して、受容される体験をして、自己を確立し
安全基地の外でも、内在化した自己に支えられて、多少の批判に揺るがない
自分を作りたい所です。
でも、それは成長した今、幻想ですね。

だったらせめて、自分の中に自分の安全基地を作ってみてはどうでしょう。
要するに自己内対話をするということです。
自己内なら、無用な批判や揶揄を受けることはありません。
ぶつぶつつぶやくでも、日記やブログに書くでも、なんでもいいですから
問いかける自分と、答える自分の2役をしてみてください。

弱音を吐くことができるまでには、けっこう道のりがあります。
じゃんじゃん弱音が吐ける人の「大丈夫だよ、弱音吐けばいい」という言葉を
鵜呑みにせず、自分の出来る範囲のゆっくりペースでいいですから、自己内
対話進めてみてください。
それ以外に、哲学書やエッセイなどの本を読むこともお薦めします。