イベントを介して繋がった方が自然かも

ゴルフ合コン、料理合コンなどイベントを介して互いを知ろうという婚活が活況である。
目的があり、それにプラスして出会いがあるというところが参加者の心理障壁を下げる効果があるのだろう。

そう考えれば、いきなり見知らぬ人に注目するよりも、別のモノを介して交流し、交流の中から互いの共通点を見いだして、いつのまにかモノからヒトへ視線が移動するということは、日常でよくある。


例えばペット。
ペットを連れていると、道行く人から「かわいぃ~♡」というお声を頂戴する。
「種類は?」「何歳?」と一通りの情報を聞かれた後、まったく関係ないご近所話をしたりすることがある。
それが続くと、家族の話とか最近驚いたことなどまるで友人にでも話しているかのように、なんのためらいもなく話していることがある。

でも交流のきっかけは、ペットである。道端でどちらかがナンパしたわけじゃない。
そしてペットがきっかけな割に、会話に占めるペットの割合は10%程度だ。

人間対人間だと古来の習慣か、つい敵対という様相をとってしまう。
それがモノを介すと互いの視線をズラしたところからスタートして、合うところで親近感や共感から始まるので、無理なくおつきあいができるのだろう。

選挙カーが「○○タロウです」といきなり名を名乗るのは、奇っ怪だ。
我々はすれ違った人に突然名を名乗られる経験をしないから。
選挙に勝ちたいなら、人がもっとも関心を抱きやすい事象やモノから入る方が自然で且つ興味を引きやすい。
名前で振り返られるのは、一部の有名政治家だけ。

我々は思ったよりも人間の特性について知らない。
もっと上手に人間の性質を見極めたなら、「孤独死」とか「無縁社会」とは違う適度な繋がりのある社会を形成できるのかも知れない。