ブス好きのイケメンがフラれ続けるわけ

さっぱりした塩顔のある男性の好みは、ブスな女の子。
周りからは「ないな」と言われる女性と好んで付き合います。恋はいつも彼女からのさよならで終わる。彼の何が問題なのでしょう?

“ちょいブス”好きなイケメンの謎。「しかも僕がいつもフラれる…」 | 女子SPA!

恋愛が上手くいかないメカニズム

彼がブスと付き合う理由はこれ。

「今考えれば、僕の中で『美人は性格が悪い』っていう偏見がずっとあったんだと思います。だから、ちょっとブスな女の子ほど、人の痛みを知ってて優しいのではないかと」

美人に対する偏見もそうでしょうが、ブスは痛みを知ってて優しいという思い込みもどうかと…。
結局のところ、自分の思い込みの正しさを検証しなかったために、何度も同じ過ちを繰り返してしまったのでしょう。

客観的にみるとこの彼はイケメンに分類されるのですからもっと高望みしたって構わないのに、なぜ底辺ラインを求めるのか。
それは、根底に「自分は受け入れられない存在だ」という思いがあって、美人のように受け入れ慣れしている人なんかに到底受け入れられるはずがない、という思いがあるからです。ハナからこの勝負は無理と判断して、だったらもっと勝機が望めそうな処へ行く。

それが彼の受け入れられるための生存戦略なのです。

しかし、その戦略でさえも時間が経つほどに、雲行きが怪しくなっていく。新しい彼女はどんどんワガママになって別れるんだそうです。
そりゃそうです。彼自身、簡単に尽くしてしまっていますから。

人は簡単に手に入る物は大したことない、とみなします。苦労して手に入れるからこそ、大切にする。その苦労を味わわせることなく、ホイホイと与え続けていけば、相手の与えられることへの満足が減る。そこで要求がエスカレートしていくのです。

つまり入り口である「彼の尽くそうとする思い」をレアアイテムにすれば、上手くいくのです。

彼女の心中

でもそれを提案したところで、「そんなことしたら、彼女が離れていっちゃうじゃないか」と反発するでしょう。彼にとっては、自分が受け入れられるのは、彼女の役になってるから、という前提がある。自分が尽くすのを辞めたら捨てられる、という恐怖に打ち勝つことができない。だから提案を斥けるのです。

果たして彼のこの考えはあってるのでしょうか?
彼女がつきあうと決めたのは、彼が尽くしてくれるからですか。おそらく彼が彼だからです。つまり彼という存在そのものがいい、と思った。

それを「自分が役に立たないと捨てられる」と思ったのは彼。自分という存在の価値を引き下げ、尽くすことでしか役に立たないと見せつけたのは、まぎれもなく彼。自分で自分はつまらん安物ですと宣言した。
彼女からすれば、せっかくいいと思った彼が自らショボさをアピールしてくる。こんなイライラすることはありません。せっかく掴んだ彼なんだから、堂々と「オレはいい男なんだ」と胸を張っていて欲しい。

恋愛問題は親子問題に帰着する

ということは、[ 彼が彼自身をどう自分の中に位置づけているか ] が問題です。
今までどおり「受け入れられない」と位置づければ、どんな女性相手でも、「この男ショボいわ」という思いを抱かせてしまうことでしょう。

この問題を解決するには、彼が自分をどう位置づけたかのきっかけに立ち戻り、それが本当に正しかったのかを精査する必要がある。言い換えると、親との関わり合いの見直しをする必要がある。

恋愛は親子によって形作られた自己像の投影の有り様によって、上手くいったりいかなかったりする。親が子を価値ある存在、敬意を払う対象として見ていれば、子は自分を敬い、他者を敬い、「思いやり」が異性を引き寄せ、異性から「思いやり」を引き出す。そうやって絆を深めていくことが当たり前になる。でもその反対は、いわずもがなですね。

人と人が長くやっていくには、「思いやり」の精神が欠かせません。そして「思いやり」の精神は、自分が自分に思いやりをかけることなくしては、わかり得ない。自己憐憫の上手い人でも案外自分への思いやりはかけられなかったりするものです。

恋愛は、自分と向き合うこと。自分がいいと思える奴だから、彼女もいいと思ってくれる。すべては自分が自分をどう捉えているかにかかっているのです。